777(トリプルセブン)
はい、読書感想文です。
まぁ、相変わらずこの人の本はテンポが良くて、サクサク読めました。
今回、ご紹介するのは伊坂幸太郎の…
「777(トリプルセブン)」
言わずと知れた伊坂幸太郎の殺し屋シリーズ。
「グラスホッパー」「マリアビートル」「AX」に続く、四作目です。
主役は「マリアビートル」と同じ天道虫(てんとうむし)こと、殺し屋の七尾。
前回は新幹線から降りられず、しかもやたら同業者と鉢合わせて、殺し合いに巻き込まれるという話。
今回も、似た設定です。
新幹線がホテルに変わり、「娘からのサプライズプレゼントをクライアントに渡す」という危険も無く、かなり楽な仕事だったはずなのに、勘違いでそのクライアントに襲われるところから七尾の不幸は始まります。
そう、大前提で七尾は「とにかくアンラッキーな男」なのです。
そうなってくると、当然ホテルの中に同業者が沢山居て、七尾は殺し合いに巻き込まれる…、だってアンラッキーだから。
登場人物もみんな個性的。
同級生女性殺し屋ペア、マクラとモウフ。
吹き矢を使う6人組の殺し屋、アスカ、ナラ、ヘイアン、カマクラ、センゴク、エド。
爆弾が専門の高良(コーラ)と宗田(ソーダ)。
逃し屋のおばちゃん、ココ。
情報機関長官、蓬実篤とその秘書・佐藤。
その蓬長官を狙う、名もなき殺し屋。
悪事を斡旋する業者・乾。
そして、それらの中心に居るのが一度見たモノを全て記憶する、紙野結花。
どう？もう登場人物だけ見ても面白そうでしょ？
各々の物語が同時進行し、後に交差していくんだけど、登場人物が多くて覚えるの大変そうって思うでしょ？
でも最初だけがんばっていただければ大丈夫！
なぜなら、どんどん死んでいって人数減っていくから！
殺し屋の話だから、当然殺し合いがあるんだけど、そこはサラッと描いているからグロいの苦手な人でも安心して読めます。
そして、なんと言っても魅力的なのが、登場人物たちの会話。
無駄話に聞こえて、後に誰かに影響を与えてたり、大事な伏線だったり、しかもそれが仰々しくなくオシャレで軽い感じなのが伊坂幸太郎の良さ。
ちなみに、俺が殺し屋シリーズで一番好きな登場人物が、マリアビートルに出てくる２人組の殺し屋「機関車トーマス好きな檸檬(レモン)と、文学好きな蜜柑(みかん)」
特に檸檬が最高です！
ま、グラスホッパーもAXももちろん面白い。
どれも全体的なテンポが良くて(伊坂幸太郎作品全部だけど)、爽やかで、クスッと笑える殺し屋シリーズ、必読です！
良かったら、読書の参考にしてください。